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「というわけでだな。とにかく修行だ。」

久しぶりに仁と合流した俺達。

仁が集めた勇者に関する情報を厳かに聞いていた。

なんと勇者から手に入れた情報らしい。

そりゃまぁ、確かな情報でしょう。

とにもかくにも、戦う力を手に入れなければお話にならないそうだ。

俺は闘技場に出場しつつ、他のクラスの技も身に付ける方向で。

そういえば、真矢も召喚士としてのレベル上げをやっているらしい。

この前、グロテスクなモンスターを召喚しているのをチラッと見た。

ちょい怖くて、あんまり踏み込めないでいる俺。

慎悟はディルフォートさんと何かやっている気配。

市場調査がどうのこうの言っていた。

慎悟もレベル上げしろよ・・・。

仁は引き続き情報収集。

他の勇者との接触を試みるそうだ。

有益な情報を得られることを期待しておく。

で、話を聞いたディルフォートさん。

「人材はこちらで用意しましょう。他に何か要望がありますか?」

早速、協力してくれるみたいだ。

話しが早くて助かる。

「出来れば女の先生でお願いします。」

遠慮なく要望を伝えておいた。

快く頷くディルフォートさんに感謝感激。

さてさて、次の試合まで力を付けるとしようか。



「……なぜ、お姉さんが?」

なんとなくファイティングポーズを構えてしまった。

「雇われたからに決まっているでしょう?」

目の前にいらっしゃるのは、闘技場の審判をやっていたお姉さん。

名前はエイラさん。

武闘家の先生として招かれたんだと。

この人、先生として大丈夫なんだろうか?

なんか倍ぐらいレベルの開きがあるんですけど。

強ければいいってもんじゃなかろうし。

てか、いとも簡単に投げられた記憶がちょっぴりトラウマなのであった。

「お金をもらったからには、しっかり仕事をさせていただきます。準備はいいですか?」

心の準備が全然出来てなかったりするが、反射的に頷いていた。

屋敷の庭にて始まる修行の日々、その一日目のはじまりはじまり〜。

「勇者の学習能力の高さは知っています。ですから、技の練習へ入る前に基礎からやっておきましょう。」

「基礎って?受け身とか?」

「そうです。あと筋力や柔軟性も。基礎が出来ていなければ、技を身に付けても体が壊れるだけですから。」

「わかった。」

まずは柔軟。

座って両足を伸ばし、両手を爪先へとグッと伸ばす。

……届かねぇ。

「硬いですね。」

「……しばらくほぐすともうちょいマシになるよ?」

ギリギリ届くぐらいにしかならんけども。

なので、徹底的に柔らかくすることになった。

ちなみにエイラさんは開脚して地面に体がペタッとつくぐらい柔らかい。

「もしかして立った状態からブリッジ出来たりします?」

無言でやってのけるエイラさんに尊敬の念を送りつつ柔軟体操。

そして、筋トレ。

腕立て、背筋、腹筋をメインに色々なトレーニングを指示された。

あと、走り込み。

エイラさんと一緒に走りまくる。

とりあえず、エイラさんの背中を追いかけるわけだが、

目的地というかどれぐらい走るのかわからないというのは精神的にきつい。

走りこみが終わったら受け身の練習。

最初は一人で受け身を取っていたが、途中からエイラさんにポイポイ投げられて受け身を取ることに。

実践的な受け身ですよ。

エイラさんいわく、

「私が暇だったから。」

だそうな。

体動かすの好きなんだろうね。

いや、もしかしたら俺を痛めつけるのを楽しんでいるとか?

……それは考えすぎだと思いたい。

でも、体に傷は無いくせにやたらと痛みを感じる、すげぇ器用で鬼畜な投げ方されてるんですけど。

「痛みは体のバロメータです。」

微妙に答えになってない気がするぜ……。

そんなこんなでエイラさんのドキドキ個人授業が終了。

「寝る前のストレッチを忘れないように。」

「……うっす。」

たぶん疲れて無理。

真矢かメイドさんに頼もう。

そして休む間もなく、

魔術師の先生と

神官の先生と

盗賊の先生と

アーチャーの先生と

剣士の先生と

ダンサーの先生と

ガンナーの先生と……。

要は各クラスの先生の授業を受けたと。

・・・もう途中から記憶に無ぇよ。

内容もうっすらとしか覚えてない。

たぶん、体で覚えたんだろうねぇ・・・。

いくら勇者は学習能力が高いといっても、体力がもたねぇよ。

全ての先生の授業が終わったら次の日になってたし。

……もしかして、俺は命を狙われているんじゃなかろうか?

そんな疑問が浮かぶほどにきつかった。

「ひとまず、過労死しないような練習メニューを組んでくれ。」

身の危険を感じまくりだった俺は、慎悟に頼んで新たな練習メニューを組んでもらった。

……とにかく、死なない程度に頑張ろうと思った。

「死ぬ気で頑張りなさい。」

エイラさんにそんなことを言われた。

「死んだら元も子も無いっす・・・。」

その言葉を紡ぎだした時の俺の目は虚ろだったという。



あとがきっぽいもの。
作者「キャラクター人気投票やろうかな。」
リーア「唐突ですね。」
作者「2万ヒット記念みたいな?」
リーア「第2章後半のキャラには不利ですねー。」
作者「だから、前半に出てたキャラ限定で。」
リーア「はうっ!?それだと、私は入ってません!」
作者「気にすんな。詳しい話はまた後日ということで〜。」
                         おわり



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