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ガラガラ、ガラガラ、と石畳を車輪が滑る音が聴こえる。

それと共に馬の蹄が規則正しく音を奏でる。

心地良くて眠ってしまいそうだ。

今、俺達は立派な馬車に揺られて王城へと向かっている。

今日は守護騎士の任官式があるのだ。

この前、用意してもらった正装をしっかりと着込んでの参加だ。

隣には正装した真矢がいる。

任官式のは関係無いが、リナから招待されたので参加。

厳重朗はきたがっていたが、ギルドの仕事が忙しいらしく欠席。

エイラさんも闘技場の審判の仕事が入っているので欠席。

慎悟もディルフォード氏の仕事の手伝いで欠席。

仁は知らねぇ。

みんな何かと忙しいということだ。

「まるで私が暇人みたいなまとめ方ですねー。」

真矢はサラッとそんなことを言ったが、微かに怒りが混じっている気がしないでもない。

うーん、フォローしとくべきか?

「・・・俺のお守りで忙しいんじゃね?」

「まぁ、そんな感じですね。」

どうやら満足のいく返しだったようである。

真矢は窓から外を眺めることに集中し始めた。

とりあえず、俺も景色を眺めながらドライブを楽しむことにしよう。

王城に近付くにつれて、金持ちの家が増える。

立派な石・・・大理石?を使った家やら、精巧な彫刻が置かれた家やら・・・。

価値が分からんから何とも言えないが、豪邸ばっかだ。

まぁ、ディルフォード氏のとこも豪邸だけどな。

適当に物思いに耽っていると、次第に王城が近付いてきた。

「・・・あー、今思えばこれから王様に会うんだよなー。」

「何をいまさら。」

「ルファで一番偉い人だよなー。」

「そうですね。あと、話を聞く限りでは一番強そうですよ。」

「ちょっと緊張してきた。」

「は!?今頃!?」

「トイレ行ってきていい?」

「我慢してください!」

「・・・むぅ。」

真矢が若干ピリピリしているのは緊張しているからなのかもしれない。

俺は今頃意識し始めたわけだが・・・。

まぁ、気楽にいくとしよう。

リナが言うに、お膳立ては整っているらしい。

だから、今日は本当に顔を見せるだけのようなもの。

その後は、適当に飯食ってしゃべって解散。

実際に守護騎士として働くのはもうちょい先のことなんだと。

リナの14歳の誕生日の日からだ。

「あいつ、13歳の割りにはしっかりしてるよな。」

「騎理よりもしっかりしてるんじゃないですか?」

「・・・否定はしない。」

「しましょうよ。」

どう考えても良く出来た娘さんだ。

頭良いし、可愛いし、部下も扱えるし、思いやりもあるし。

将来、良い女王になれる気がする。

なんか、お婿さんをとって自分は王妃になるとか言ってたけど。

なんか、勇者のお婿さんをとるとか言ってたけど。

「は!?俺、狙われてる!?」

「今頃!?」

真矢ちゃん、ツッコミで大忙しである。

これで暇人なんて誰にも言わせないね!

「・・・騎理のお守りであることに変わりないんですけどね。」

結局そこに行き着くというわけだ。

そんな感じで面白おかしく雑談をしていると、城門の前へと到着。

ギィッと音を立てて、上がっていた橋が深い堀の上に降りて道が出来た。

何事も無く通過し、城内へ。

立派な花壇に立派な銅像が並ぶ。

銅像にいたっては顔の作りがかなり精巧だ。

そして、馬車から降りて城内へと案内される。

赤絨毯とかベタ過ぎるぜ。

「マナーとかわかんないんだが、OKなのか?」

「今日は無礼講ということで。」

「いやいやいやいや、それはダメだろ。」

「遠慮するな。」

「するよ!」

「めんどくさいですねぇー、とりあえずスープ飲む時に音をたてなきゃ大丈夫ですよ。」

「そんなもん言われんでもやらねぇよ!もうちょっとまともなアドバイスをくれ!」

「アドリブで乗り切ってください。」

「教える気ゼロ!」

そんなやりとりをしながら、案内人の後ろをついてゆく。

この時点でマナーとか勢い良く無視してるよなー。

見張りの兵士の挨拶に軽く答えたり、

たぶん大臣とかそんな人を見かけたりしながら進む。

案内人の男はどうも緊張しているらしく、小粋なトークも出来ないようだ。

少し退屈、ゆえにたいした距離じゃないんだろうが遠く感じる。

まぁ、目的地がどこかも知らないんだ、仕方ない。

階段を上がり、吹き抜けの廊下をゆく。

「ん?」

何か違和感。

「どうかしましたか?」

「いや、たぶん気のせいだと思う・・・。」

と言いつつも、アレは気のせいとは思えないんだが・・・。

殺気にも似た寒気のする気配。

光とは真逆の性質。

いままで生きてきて、いや、本来なら生きている間に出会わないような感じのもの。

ここから見ることの出来る、王城の東に位置する塔にそれの気配があった。

塔の最上部が真っ黒に見える。

禍々しい黒。

「・・・なぁ、あそこに塔があるよな。」

「そうですね。それが?」

「何か変じゃない?」

「・・・普通だと思いますけど?」

「・・・そっか。ならいいや。」

真矢には見えないのか。

俺には見えて、真矢には見えない。

・・・そういうことね。

修行のおかげというか何というか、どうやら焦点がずれているらしい。

むしろ合っていると言うべきなのか?

どっちが幸せなのかは言うまでもなさそうだ。

とりあえず、後で同類に聞いてみるとするか。

もうすぐ会うわけだしな。

「こちらです。」

「うむ。」

玉座の間、到着。

扉が恭しく開かれる。

高い段に設置されてた玉座に王が座っていた。

まぁ、俺から見ればおっさんだ。

「よく来てくれたな、キリ♪」

玉座の近くで控えていたリナが小走りでやってくる。

「うぃっす。」

軽く手を上げたら、なぜかそのままハイタッチ。

ノリの良い奴だ。

「マヤもよく来てくれたな♪」

「まぁ、暇でしたから。」

やっぱり暇だったのか。

さて、王様からの反応が無いのだが・・・。

あれ?よく見ると、人形じゃね?

「隙ありー!」

「おおぅっ!?」

玉座までの左右に配置されていた兵士の1人が襲いかかってきやがった!

剣を何とか身を捻って避ける。

「む、避けられたか・・・。」

残念そうに呟きながら鉄仮面を取る。

その下にはダンディーな髭をたくわえたおっさんが現れた。

「お父様!?何をやってるんだぁー!?」

「はっはっは、ちょっとした悪戯じゃないかぁー。」

なに?ちょいワル親父?

ポカポカと親父さんを殴るリナ。

軽くあしらう親父さんにとっては楽しいスキンシップのようだ。

「・・・なぁ、帰ってもいいかな?」

「・・・私もちょっと帰りたくなってきました。」

二人して遠くの方を見つめていると、苦笑いを浮かべた女の人がやってきた。

着てるものの豪華さから、たぶん王妃。

「二人共、キリ様とマヤ様が呆れてらっしゃいますよ?」

気品溢れたたたずまいの王妃。

かなりの美人である。

リナの将来が楽しみだ。

「む、そうだな。そろそろ真面目な話に戻るか。」

いや、一度も真面目な話は無かったが。

今更キリッとした表情をしても威厳なんて無いですよー。

「私の守護騎士のキリだ。こっちが召喚士のマヤだ。」

改めて紹介してもらったので、軽く礼。

「で、勇者王と呼ばれているお父様と、王妃のお母様だぞ。」

王妃は微笑を浮かべている。

「敬うがいい。」

勇者王は調子に乗っている。

今のところ、俺の認識は面白いおっさんだ。

「こんな堅苦しい場所で話すのもなんだな。食事をしながら話すとしよう。」

それは願ったり叶ったりだ。

なかなか話の分かるおっさんだな。

「あっ、でも、その前に聞きたいことがあるんだ。」

「ん?なんだね?」

俺はさっき見た塔の方を指差した。

おっさんの表情が真面目になる。

「あの塔、何かあるのか?」

明らかに何かありそうな沈黙。

王妃の表情はこわばっていた。

リナは何のことを言っているのだろう?という顔をしている。

「・・・見えているのか?」

「真っ黒だな。」

俺は見たまんまの答えを返す。

おっさんは苦笑いを浮かべて口を開いた。

「・・・よくそのレベルでその域に達したな。・・・そのことについても話すとしよう。」

諦めた、いや、覚悟を決めたような表情だった。

どうやら、かなり込み入った話らしい。

触れてはいけなかったのかもしれない。

だが、守護騎士として危なそうなものは放っておけないだろう?

来たばっかの玉座の間だが早速用無し。

おっさんと王妃を先頭に玉座の間を出ようとした・・・その時。

突然、強烈な爆砕音が聞こえた。

その方向は・・・さっきの塔だ。



あとがきっぽいもの。
作者「ここから突っ走ります。」
美綺「ついてこれるかなっ!?」
作者「後ろ振り向いて、ついてきてるか確かめながら突っ走ります(笑)」
美綺「・・・それ、突っ走ってるって言うの?」
作者「へたれなもんで(苦笑)」
美綺「もっと自分を信じて!」
作者「自分ほど信じられないものはない!」
美綺「そこははっきり言うのかよ!」
             おわり



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