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「あらあら〜。」

そう言いながら窓ガラスを手際良く片付けるのは真矢。

のんびりな印象とは裏腹に手の動きは神速である。

「おい、真矢。生徒会室に行くぞ。」

ちょっと態度デカイのは騎理。学校の三大美男の一人である。(貴人もそのうちの一人)

貴人と違うのは成績優秀で生徒会役員をもこなすところ。

しかし、粗野な一面もあり、良く言えばワイルド。ゆえに好みは別れる。

「いいえ、生徒会役員として、こういうことはやっておかないといけません!」

力説する真矢。騎理はどうでもいいじゃん、って感じだ。

「それ、やった奴にやらせろよ…。」

もっともな意見だ。

「でも、すぐ終わりますから〜。」

実際、すぐ終わった。騎理はやれやれといった感じで肩をすくめると、二人並んで生徒会室へと向かった。

「チーッす。慎悟もう来てる?」

「うむ。先に頂いている。」

生徒会室のドアを勢いよく開けると、慎悟が黙々と弁当を食べていた。

お茶をズズッと飲んでる姿が妙に似合っている。

「美綺ちゃんはまだ来てないんですか?」

「確か光騎君といったかな。その子のいる教室で食べると言っていた。」

「へー。まだお熱なわけね。」

二人は席につくと弁当を広げた。

騎理がふと目を向けると、真矢の手元には伝説のこしあんパンがあった。

「それ、どうしたんだよ?なかなか手に入らないだろ?」

実際、騎理は手に入れたこともなく、食べた人も見たことがない。

「これは縁さんがくれたんです。お近づきにって。」

「へー。仲いいの?」

「いいえ。初めてお会いしました。」

「ふーん。俺にも少しくれ。」

「いいですよ〜。」

伝説と言われるだけあって、伝説級に美味しかった。




その時、ズバンッ、と叩きつけるように生徒会室の扉を開けたのは雅輝。

ふてぶてしい態度のこの男、これでも学校の教師である。

教科は世界史を教えているが体育教師以上の肉体の持ち主で、武術部という部活の顧問をやっている。

いわゆる格闘家である。

そもそも武術部を作ったのは雅輝である。

部員を半ば強引に集め、色々なところから反感を買いながらのスタートだった。

しかし、未だに退部するものがいないのは、それだけやりがいのある部活だということだろう。

そんなわけで、武術部在籍率100%の生徒会にやってきた雅輝。

「ガキどもー、俺もまぜろー!」

弁当を掲げて振る。中身が寄ったところで気にしないのがこの男である。

そして、返事も聞かずに適当な椅子に座る。

「珍しいですね先生が来るのは。」

慎悟が雅輝にお茶を差し出す。

「ん?あぁ、気まぐれだ。」

職員室で注文する弁当を開ける雅輝。それだけでは足りないのか、カップ麺を取り出す。

「おい真矢、これにお湯入れてくれ。」

無愛想に頼む。そしてひたすら偉そうであった。

「はーい。」

そんな雅輝に嫌な顔をせずに真矢はお湯を入れてあげる。器が大きいのか、ただ優しいのか。

「さーて、食うかー。」

ひたすら弁当をがっつく雅輝。実にうまそうに食べている。

「なぁ、先生。」

騎理がそんな雅輝に声をかけた。

「あん?」

弁当から顔も上げず雅輝が答える。

「今日は部活やんのかよ?」

「あぁ、今日は顔見せるぜ。俺が来るまでに準備運動しとけよ。」

「はいよー。」

騎理はやる気なさげに返事をすると、自分の弁当にとりかかった。雅輝もカップ麺をすすりつつがっつく。

それはいつも通りの光景だった。




仁は生徒会室の前にいた。黒縁メガネによれよれの制服。

長くなった前髪が目にかかり、寝癖がついたような髪型がさらに冴えない印象を与える。

とにかくダメな風貌の男だ。

そんな仁は頼りないノックをする。

「あのぉ…、すいませ〜ん…。」

ぼそぼそと聞こえるか聞こえないかの声量で言う。

「あぁ、開いているから入ってくれ。」

生徒会長である慎悟が答える。それを聞いて仁はそろっと扉を開く。

中には生徒会メンバーの何人かがいた。慎悟と真矢は書類仕事をしていたが、他は勝手気ままにしている。

「仁、こっちだ。」

慎悟が席を立ち、別室に向かう。

「あ、はい。どうも、どうもー。」

慎悟に返事をして、周りの者にペコペコと頭を下げながら別室へ向かう。

慎悟はソファーに座り向かいの席を仁に進める。

別室の扉を閉じた仁は髪をかきあげながら、ソファーに深く座った。

メガネを胸ポケットに入れて行儀悪く足を組む。

「仁、例の件はどうなった?」

前置きはなく早速本題に入る。

「あぁ、これが証拠の写真。あいつら怖い人とつながりがあった。まぁ、ついでに潰しといたがな。」

仁は数枚の写真と誓約書を取り出す。

誓約書は少し赤く汚れて、内容は『もう絶対にしません、真面目に生きます。』と書かれおり、拇印がしてあった。

慎悟はそれらに目を通すと、満足そうにうなずき懐から封筒をだす。

「いい仕事をしてくれた。今回の報酬だ。」

仁は封筒を受け取り懐に納める。

「俺は常にベストな仕事をする。こういうのは信頼関係が重要だからな。」

ニヤリと笑う仁。眼光は鋭くギラギラとしていた。

「あぁ、もちろんわかっている。さて、次の仕事だ。」

「はんっ、休む暇も無いな。」

「それだけ腐っているということだ。次はある教師の動向を探ってもらう。」

「先公か、何やらかしたんだ?」

「援助交際の噂が流れている。」

「わかった。」

仁は資料を受け取ると髪をグシャグシャにして、メガネをつけた。

そして猫背気味の姿で立ち上がると仁は部屋から立ち去った。

その入れ替わりで雅輝が入ってきた。

「生徒会長も大変だな。」

大方の事情を知っている雅輝。面白そうに慎悟に声をかける。

「えぇ、これも学校のためです。」

きっぱりと言い切る慎悟。

「ふん、必要悪ってやつか。」

「毒には毒をもって制すです。」

慎悟は苦笑いをする。これは生徒会の影の出来事だった。

お気軽に叩いてやってください、喜びます(笑)

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