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「ハックション!あ〜、これは誰かが噂してるなぁー。早速、こしあんパン効果か〜?」

生徒会がいつもの日常を描いているいる時、ちゃらんぽらんな男、縁がクシャミをしていた。

意図した方向とは違う効果を発揮したとは縁は知らない。

「縁(エニシ)、風邪ひいたの?」

双子の姉である縁(ユカリ)が尋ねる。
「違うって。噂してんだよ。真矢さんへの、地道なアタックが実りつつあるんだよ。」

自分の成果を信じて疑わない縁だった。

「でも、真矢さん、会うたびに初めましてって言ってるよ?」

ゆかりがそう言うも、縁はスキップスキップランランランで、聞いちゃいない。

ため息ついて縁についていくゆかりだった。

縁が廊下をご機嫌でスキップしている時、向こうから白衣姿の朔夜が歩いてきた。

「朔夜さ〜ん♪」

それを見つけた縁は、朔夜にまとわりつく。朔夜は無表情だったが、纏う空気が凍りつく。

「うざい。」

ただ一言の、氷点下の一撃。

こんなふうに言われれば、誰もが即撤退に移るだろう。

しかし、縁はあっさりと受け流した。

「いや〜、相変わらずキツイっすねー、朔夜さん。それはそうと、お昼食べました?」

縁は一気にまくしたてた。

ゆかりが縁の隣に並ぶ。

朔夜の纏う空気を感じ、ビクビクしながらも何か言おうとして……やっぱり言えなかった。

朔夜は縁の馴れ馴れしさに怒りを覚えつつあったが、毎度のことながら朔夜の苛立ちは届かず、縁はどこ吹く風である。

「……。」

朔夜は無言で縁を睨みつけると、縁の言葉には答えずさっさと歩いていってしまった。

「ん〜、朔夜さんつれないなー。」

朔夜の態度にへこたれず、見送る縁。

ゆかりは端から見ていてハラハラしている自分がバカバカしいなぁ、と思ったが性分なのであきらめる。

むしろ、縁の空気を読まないあたりを、もうちょっとなんとかしなければと使命感に燃える姉だった。




縁とゆかりが中庭に到着するとそこには時也がいた。

左目が青色のオッドアイである時也。

お祭り好きの性格と料理作りの腕を持っているためお昼休み限定で中庭の支配者である。

大判振る舞いで飢えたやつらに手作り弁当を配る時也。

縁もそれのおこぼれに預かろうとやってきたわけだ。

「でも、お昼代もらってるのに、なんで?」

現にゆかりも貰っていて、コンビニのおにぎりを買ってきている。

「ん?だって真矢さんとかにプレゼントしてたら無くなるじゃん」

どうやら貢いでいてお昼のお金が無くなったらしい。

ちなみに効果のほどは不明である。

呆れてため息をつくゆかり。弟の先行きが物凄く不安だった。

「おーい時也、俺にも分けてくれー。」

縁がおかずを振る舞う時也に駆け寄る。

「やあやあ縁。ぜひ食べてくれ。たくさんあるから遠慮しないでいいよ。」

縁と時也のいつものやりとり。

俵型のおにぎりと唐揚げなどのおかずを紙皿に取って縁に渡す。

「サンキュー。いつも世話になるね。」

遠慮無く受け取った縁はいただきますと手を合わせると割り箸を割って食べ始める。

「いいってことさ。食事はこうやって賑やかに食べるのがいいからね。」

そう言っている間に次の飢えた生徒がやって来る。ちゃっちゃと食べ物を分ける時也。

「それはそうと、その芋の煮付けどう?今日の自信作なんだけど」

「こいつはうめぇー!料理のさしすせそを使いこなしてやがる!」

縁はうまそうに頬張っている。それを見たゆかりはちょっと食べたくなった。

「どうぞ、ゆかりちゃん。食べてみて?」

ゆかりの表情を読み取った時也は皿に取った煮付けを差し出す。

「そ、そんな私は…。」

物欲しそうに見ていたのを見られて恥ずかしくなったゆかり。顔を赤くする。

「遠慮するなゆかり。貰っとけって。」

縁はパクつきながら遠慮無しに言う。

「縁はちょっと遠慮するべきだと思う…。」

少しうつむいた感じで縁を非難したゆかり。

「ははは、遠慮しなくていいから、ほら食べて。」

一瞬の葛藤のあと、ゆかりはおずおずと口を開いた。

「じゃ、じゃあいただきます…。」

ゆかりは遠慮がちにそう言って受け取った。

さすが料理上手の時也の自信作だけあって、とてもおいしかった。

お気軽に叩いてやってください、喜びます(笑)

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