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格納庫。
零式のコクピットの中で最終調整。
パイロットスーツがあれば、簡単にパーソナルデータが取れて、調整しやすいらしいんだけど、無いものは仕方ない。
『光騎さんは成長期ですから、毎回微調整が必要なんですよー。』
と、愛ちゃんが言っているので、出撃前には欠かさず行っている。
理屈はよくわからないんだけど、上手く使いこなすには必要なことらしい。
ところで、愛ちゃんが保持している『光騎』のデータは二つあるそうだ。
僕と、愛ちゃんが造られた世界の僕。
遺伝子レベルで似ているらしい。
最初は脳波の一致もあったせいで、別の僕のデータで動かしていたそうだ。
でも、それは『僕』じゃない。
だから、誤差が生じて操縦しづらかった。
だけど、今はちゃんと『僕』のデータが登録してある。
「ちょっとしんどい戦いかもしれない。」
ちょっとどころではないかもしれない。
「愛ちゃんの世界の僕も、こんな戦いをしたのかな?」
何か参考になるかと思って聞いてみる。
『えぇ、光騎さんは戦いましたよ。
家族を失い、恋人とも戦って、平和を勝ち取ったんです。
苦しいことばかりじゃありませんでしたけど、激戦をくぐりぬけてきたんですよ。』
「……そっか。僕も頑張らないと……。」
足が震える。
とても武者震いとは言えない、不安からくる震えだ。
それを押さえ付けて、イメージするんだ。
仲間の笑顔と、人々の笑顔。
闇を払った後に現れる光の輝き。
そのイメージが粉々に砕かれない限り、きっと僕は戦えるだろう。
『準備完了です。いつでも出れますよ。』
愛ちゃんの声に頷き、操縦悍を握りしめた。
「さぁ、行こう。戦場へ!」
マナ・エンジンが大気に満ちた魔力を取り込み、機体のありとあらゆる場所へ回す。
零式の手を伸ばし、エクスカリバーを掴む。
「聖ちゃん。力を貸してもらうよ。」
『うむ、心得た。我が主よ。』
頼もしい聖ちゃんの返事。
僕の操縦通りに足を踏み出した零式は、格納庫を出た。
メインカメラはトリオンを囲む闇の姿を捉えた。
モニターに、拡大されたモンスターの姿が映る。
悪鬼の如き姿。
おぞましい姿の敵。
分かり合えることは無い。
殺し合うためだけの存在に、かすかな哀しみが心によぎる。
ためらうな。
あいつらは正真正銘の『敵』だ。
きっと、これからの戦いに、優しさはいらない。
「北部に行くよ。そこは僕達で抑える。」
『は〜い♪』
『了解した。』
飛行石と風の魔石を発動。
脚部のスラスターを噴かして、零式を空へ。
風を切り裂いて反転。
真っ直ぐにトリオンの北部を目指した……。
「さてさて、光騎君は北のほうに飛んでっちゃったねー。」
空を見上げる輝。
零式のボディーが光にきらめく。
エクスカリバーが刺さっていた岩の調査を終えて、トリオンの探索をしていた。
そして、偶然にも今日この日がやってきた。
「闇との戦いかぁー。もう少し先のほうがよかったんだけど……。そうも言ってられないか。」
苦笑いを浮かべながらポリポリと頭をかく。
まとわりつく闇の気配が鬱陶しくて、ため息をついた。
「とりあえず、東のほうのモンスター共を薙ぎ払ってこようかな。南は僕にとって容易過ぎるだろうしねー。」
剣が丘展開。
風を操る魔剣をチョイスして、力を引き出した。
剣から溢れる風をその身に纏う。
「行こうか、テンペスト。たまには元勇者らしいことをしてみても罰はあたらないさ。」
フワリと体が宙に浮いた。
まさしく輝は風の如く空を駆け、東の空を目指す。
どの空も等しく闇はあった。
翼を持つモンスター達は、地を這うものを抱えてトリオンを目指していた。
「……ギャアギャアと煩いやつらだ。」
わめく雑音が、癇に障る。
風を蹴って加速。
瞬速をもって怪物を駆逐。
輝の風の如き速さに、ついてこられるものはいなかった。
どうにかして輝を殺そうと、怪物達は連携を取り始める。
「ははっ!その程度で捉えられるか!?」
テンペストはさらに風を噴き出した。
その噴射で機動力が上がり、弾丸のような速度で怪物を叩き斬る。
いや、厄介なのは弾丸のように一直線に突き進むだけではないことだ。
自由自在に軌道を変えながら、輝は蹂躙してゆく。
東の空は血煙りで赤く染まりつつあった……。
あとがきっぽいもの。
作者「うーん、なかなか執筆速度が上がりません・・・。」
麻衣「頑張って、としか言えないですよ。」
作者「集中すれば多少は上がると思うけど、何かと忙しいのかなぁ・・・。」
麻衣「あっちこっちに意識を分散させすぎでは?」
作者「むぅ。もうちょっと絞らないといかんね。」
麻衣「集中ですよ!」
おわり
お気軽に叩いてやってください、喜びます(笑)
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