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巨人と悪魔の空中戦。

そこには素早い動きに追い付けない、巨人の無様な姿があった。

いくつもの風の刃を受けながらも、諦めることなく追い縋る。

『……まだ戦うか。』

風の魔術を操るデーモンは、淡々と仕事をこなすようにして零式を刻み続けた。

しかし、光騎は冷静に反撃のチャンスを見極めようとしていた。

「愛ちゃん、行動パターンの解析は?」

『今終わりました。作戦実行ですね?』

「うん、よろしく。タイミングはこっちで合図出すから。」

『りょうか〜い。』

AIの解析結果をもとにして、光騎はデーモンを追い込むための機動を取り始めた。

『……む?』

痺れを切らしたかのようにがむしゃらに突撃する零式。

人間の愚かさを嘲笑いながら余裕をもって回避するデーモン。

風の刃を叩きつけて、零式が振り向く間もなく移動。

追いかける零式。

それでもそのスピードに敵うはずもなく、一方的に攻撃を食らう。

「……正確な攻撃だ。それゆえに利用しやすい!」

背後をわざととられ、大きめの刃が創り出されたその時、わざと体勢を崩した零式の首に刃が食い込んだ。

コックピット内に響く警告の音と、明滅する危険を知らせる赤色。

光騎はAIに命じてそれらを黙らせると、デーモンのさらなる攻撃を受け入れた。

そして、火花を散らせて宙を舞う零式の首。

感慨にふけることもなく、零式の四肢をダラリと弛緩させた。

マナ・エンジン停止。

スラスター停止。

飛行石の力のみで、重力に逆らう零式。

痛々しい姿で、空に浮かぶ死に体の零式。

『……殺ったか?』

デーモンは未だ警戒している。

光騎はコックピットで息を潜めながら、サブカメラを起動させた。

メインカメラに比べて視界は狭いものの、なんとかデーモンの姿を映すことが出来た。

前方にまわりこむデーモン。

緊張。

デーモンの動きに細心の注意を払う。

そして、デーモンが零式を倒したと思い、力を抜いた瞬間、

「今だ!ハッチ強制排除!」

『はい!』

ドンッ!という派手な音と共に凄まじい勢いでハッチが強制的に排除された。

緊急脱出用のそのシステムは、零式にとって最後の射撃武器となってデーモンへと迫る。

『くっ!?』

不意打ち。

回避出来ずに、風の障壁と対物理障壁に身をまかせるデーモン。

しかし、衝撃を抑えきれずに一瞬の硬直。

「聖ちゃん!」

『心得た!』

虚空より踊り出る聖。

excaliburと酷似したデザインだが、それよりも細身の剣を両手に携えて斬りかかる。

聖の実体化のためにexcaliburの存在力が注がれ、かわりにexcaliburの存在が稀薄になった。

青い衣を翻して果敢に挑む聖。

障壁に阻まれつつも、連撃が次々と障壁を斬り裂いていく。

『これが本命か!?』

体勢の維持と、障壁の維持で手一杯のデーモンは苦々しく言葉を放つ。

聖は反撃の暇を与えずに攻撃を繰り出しながら不敵に笑った。

「それはどうかな?」

聖とデーモンの空中戦が行われる中、零式を最速で再起動させる光騎。

エンジンの駆動音。

スラスターを噴射してデーモンに接近。

「聖ちゃん!」

光騎の手に剣が生み出された。

「わかった!」

コックピットからふりかぶった光騎。

結界破りの剣がデーモンに向かって投擲され、同時に飛び退く聖。

『今さら剣など!』

デーモンは障壁にはじかれると思い込んでいた。

しかし、剣は薄氷を破ったかのような音を立てて、障壁を突き破った。

デーモンの胸に突き立つ勇者の剣。

風の結界に詰め込んだ風が無残した。

『障壁が!?』

致命的な隙を見せたデーモンに、降りかかる聖の攻撃。

「はあぁぁっ!」

二つの刃が瞬時に、デーモンの首、翼、腕を胴体から斬り放した。

『……フッ、いつの世も勇者の存在は目障りなものだ。』

デーモンはドス黒い血を巻き散らしながら、最期の言葉を吐いて空から墜ちていった。

そして、勇者の剣は光りに変わり消えた。

聖も実体化を解き、excaliburに還った。

満身痩依の零式だったが、強敵を倒すことに成功した。

「さて、問題は残りの奴らだけど……。」

まだ空には沢山の魔物がいた。

デーモンとの戦いを眺めているだけであったが、デーモンが敗れた今、戦意は高くない。

1体、2体と離脱していくと、それに続いて全ての魔物が撤退していった。

「ははっ、なんとかなった!二人共、ありがとう!」

満面の笑顔でAIと聖に礼を言う光騎。

『いえいえ〜、光騎さんのためですよ〜♪』

『我は主の剣じゃ。当然のことよ。』

二人は明るい声で答えるのだった。

北部を守りきることが出来た。

光騎は言い表せない達成感に包まれたが、すぐさま思考を切り替えた。

「休んでる暇は無い。他の場所へ援護に行かないと……。」

機体が重い。

イメージ通りの動きが出来ない。

「愛ちゃん?」

さっきからAIの声が無くて心配になった。

軽いノイズ音。

『すみません。エラーの処理をしてました。ちょっと時間がかかっちゃいまして。』

明るい声を聞いてホッとする反面、機体の状態がかなり悪いことに落胆する。

「援護に向かおうと思うんだけど……。」

『無茶をしなければ、まだ保ちますよ。頑張りましょう!』

「……わかった。もうちょっと保ってくれよ零式。」

出撃した時に比べて随分とボロボロな姿だったが、勇ましく空を駆けていった……。

あとがきっぽいもの。
作者「現在の零式の状態
   頭部大破、コックピット剥き出し
   武装はexcaliburだけ、装甲 バキバキ
スラスター脚部だけ、各関節部分いっぱいいっぱい。」
麻衣「あと、コックピット周りのコンピューターも危うそうですね。」
作者「ビームライフル無いから、ラストシューティング出来ねぇしなぁ〜(笑)」
麻衣「零式が大破した場合、愛ちゃんはどうなるんですか?」
作者「さぁ?壊れ方次第じゃね?」
おわり



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