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「おおぉぉぉぉっ!」

黒い刃をかいくぐり、魔王へと接近する輝。

軋む体を神牙真刀の力で無理矢理活性化。

筋肉が断裂すれば、あっという間にくっついては盛り上がり、より大きな筋力を得る。

自らの力で骨を砕いては、すぐさま繋げ、より強固な体へ。

内臓破裂さえも、神牙真刀の柄紐が縫い合わせて酷使。

今の輝は、純粋なる戦闘機械であった。

吐いた血が自らの発する熱で気化する。

そして、振り上げた剣が魔王の翼を断ち切った。

『ちぃっ!』

同時にドロドロとした粘液を想像させる闇を飛ばす魔王。

翼の剣が闇に触れた。

侵食汚染。

腐ったようにぼろぼろと崩れゆく翼の剣。

「くっ!?」

円を描いて地上へと落下する二人。

驚異的な身体能力でアクロバティックに着地を決める輝。

闇を緩衝材代わりにして、ゆったりと地上に着陸する魔王。

戦場は地上へと移る。

『クックック、つくづく地べたを這うのが好きなようだ。』

「お前に空は似合わない。地上もどこもかしこも、お前の居場所は無い!」

体中の至るところに出来た内出血が痛々しかった。

(そろそろ身体のほうが限界だな……。だけど、もう少し削っておきたいのが本音。)

気を抜くとめまいを起こしそうで歯を食いしばる。

にじみ出す血の味を舌で感じた。

瞬足で持って踏み込もうとした瞬間、ブツリと何かが千切れる音が聞こえた。

「……っ!?」

踏ん張りが利かずに前のめりになって、そのまま倒れこんだ。

(アキレス腱か!?)

両足のアキレス腱が千切れて立つことが出来ず、無防備な状態をさらすことに。

『なんだそれは?殺してくれということかぁ!?』

神牙真刀で治すには若干のタイムラグがあった。

隙だらけの輝に、魔王は黒い刃を放つ。

襲いくる衝撃を予想して身構えた。

「……?」

しかし、衝撃は来なかった。

黒い刃は目の前に展開された聖なる防護円によって阻まれている。

「まぁ、好かない奴とはいえ助けないわけにもいかないか。」

輝が声のした方、空を見上げると真っ白なペガサスに跨り、手綱を操っているソフィアを見つけた。

不敵な笑み浮かべるその姿がソフィアらしかった。

そして、眞彩はソフィアの腰にしがみついてVサインを作ってニッカリと笑っている。

「……助かったよ。」

疲労を感じさせる弱々しい笑みを向ける輝。

「ふっ、お疲れの様子だな。ん?」

地上を見下ろすソフィアの視界に、一生懸命走っている誰かの姿が入った。

「ソフィアちゃん!眞彩ちゃん!」

そこへタイミング良く駆け付けたのは光騎。

輝達が空から落下するのを確認すると、全力で走ってきたのだ。

輝を追ってきたつもりだったが、思いもがけず二人の姿を見て、無事を喜ぶ満面の笑みを浮かべた。

「あの爆発でよく無事だったよ。」

「あぁ。助けてくれた人がいてな。私はおまけで助けられたみたいだが……。」

「黒い髪で赤い目をした人だよ♪見たことある気がするんだけど、わかんなかったー♪」

ペガサスを地上に着けて、二人が降りた。

早速光騎に抱きつく眞彩。

二人があの爆発で助かることが出来たのは、

黒髪赤眼の青年が突如現れて、爆発のほうに片手をかざして爆発に巻き込まれるのを防いだという。

その時の一部始終をソフィアは語る。

爆発が収まり、西部の一部が削り取られたような惨状。

空気が熱く重い感じ。

『……任務完了。』

そう呟いて去っていこうとする青年をソフィアは呼び止めた。

『……召喚士を保護するのが目的だ。他は任務に入っていない。貴方が助かったのは偶然召喚士の近くにいたからだ。』

名前を尋ねたがそれには答えず、空を駆けていった。

「目的は一切わからないし力も未知だ。とりあえずは保留といったところだろう。」

ソフィアはそう締めくくった。

頷く一同。

『さて、再会の挨拶は済んだかな?』

待ちくたびれたとでも言うように肩をすくめる魔王。

「律義に待っててくれて、どうも。」

神牙真刀を杖にして立ち上がろうとする輝。

しかし、神牙真刀の発動時間が尽きて、剣が丘に収納された。

「輝さん!」

倒れそうになった輝をとっさに動いた光騎が支えた。

「……すまない、時間切れだ。」

口の端から一筋の血が流れた。

「癒そう。」

ソフィアが駆け寄り、『癒し』の奇跡を使った。

「……足だけでいい。後は温存しておいてくれ。」

「……わかった。」

腱を繋ぐと輝から離れる。

輝は自力で立つと、剣が丘を展開した。

そして、一本の剣を抜き放つ。

「神牙偽刀、解放。」

剣が丘から解放された神牙偽刀と呼ばれた一本の剣。

それは光騎へと差し出された。

「君にあげるよ。」

「……これは?」

「神牙偽刀。神牙真刀の偽物。劣化版ではあるけど、身体能力を強化出来る。

今より少し良くなる程度だけど、無いよりはマシさ。反動も殆ど無い。

せいぜい次の日に筋肉痛になるぐらいかな。」

光騎はその剣を受け取り、輝から光騎へと所有権が移った。

光騎は身体が軽くなるのを感じた。

「それで魔王と戦って時間を稼いでくれ。僕は少しダメージを受け過ぎた。回復次第参戦する。」

「わかりました。」

神牙偽刀を構える。

魔王はニヤニヤと余裕の笑みを浮かべ、剣を構えようともしない。

『クックック、相手をしてやろう、新米勇者よ。』

殺気も無く、あがく様を面白がろうという算段であった。

「援護しよう。」

「眞彩もお兄ちゃんを応援するよ♪」

二人が光騎の背後に立つ。

「光騎君、君の勇者の剣も使うといい。あれの能力は優秀だ。」

輝のアドバイスに頷くと、結界破りの剣を創り出した。

二振りの剣を構える光騎。

(二刀流……、上手く使えるかわからないけど、やるしかない!)

光騎と魔王の対決が始まった……。



あとがきっぽいもの。

作者「もっと上手く書きたい。どうすればよいのだろう?」

麻衣「本をたくさん読むか、色んな著者の真似をしてみるとか?」

作者「……うむぅ、やってみるか……。」

                おわり



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