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舞踏会。

それは祝勝会という名目で開かれた。

魔王を倒したとはいえそれなりに被害が出たトリオン。

人々の士気高揚を促すために大々的にお祭り騒ぎをすることになったのだ。

なので、街は騒がしく活気に満ちている。

露店がところせましと並び、酒場は朝方まで灯かりが消えることはない。

「でも、食料とかは大丈夫なのかな?」

けっこう長い間補給をしていない。

お祭り騒ぎもいいけれど、その辺りどうなんだろうと思ってソフィアちゃんに尋ねてみた。

「城の食糧庫を開放した。」

太っ腹だ!

「ついでに言うと、水に関しては何も問題無いんだ。湧いてくるから。」

トリオンはそういう機能があるらしい。

詳しいことは朔夜さんか聖ちゃん、もしくは愛ちゃんに聞けばわかるかも。

「トリオンって空中に浮いてる割に快適だよね。」

「うん。じゃないと街が出来ないでしょ?」

「それもそっかー。」

納得したところで、改めて現状把握。

これから舞踏会に出席するわけですよ。

もちろん正装して。

美綺姉達はドレス、輝さん達はタキシード。

そして僕は……

「なぜに再び女装?」

疑問は募るばかりである。

「可愛いから!」

「似合うから!」

男としてどうよ?な意見がドシドシ送られてくるよ……。

気が付けばピンクでフリフリなドレスを着せられてました。

ソフィアちゃんの侍従の人達も、ノリノリで色々着せ替えさせられた末に、このドレス。

「あっ、ウィッグ付けてロングにしよう♪」

「セミロングにしませんかー?」

美綺姉と麻衣ちゃんが僕の頭をいじって楽しそうだ。

……小さい頃もこんなことあったよなぁー。

思い出に浸る、というか現実から目を反らしていると、どうやら完成したらしい。

「よし、これでどこに出しても恥ずかしくない可憐な乙女の出来上がりだね!」

僕は物凄く恥ずかしいんですけど……。

「なんだか下がスースーするし。」

チラっと軽くめくってみると、おおー!というどよめきが起きた。

なんなのさ?

「生足!超綺麗なんだけど。」

「光騎さん、かなり薄いですよね。髭も無いですし。」

「花嫁修行でもさせてみるか?」

みんな言いたい放題好き放題だなぁ……。

一人で遠い目をしていると、舞踏会の始まりの時間に。

女性陣に混じり、為す術も無く会場へ連れられることになった。

……帰りたい。

かといって、強く否定することの出来ない今の自分に、もっと強くなろうと決意したのであったぁー。

なんか違うけど。

で、今回の舞踏会は、竜を退治した時とは違って堅苦しい挨拶は無しで始まる。

輝さんや九条さんが前でしゃべってたけど、みんな聞いてないし。

とりあえずは美綺姉達と一緒にダベっているのが無難っぽい。

……この格好で男とバレるのはかなり痛いからね。

「あっ、私踊ってくるから〜♪」

「なぬ!?」

クラスがダンサーなだけにウズいてくるらしい。

軽やかなステップを刻みながら去ってゆく美綺姉。

……まぁ、まだ麻衣ちゃんとソフィアちゃんがそばにいるし……。

「あっ、麻衣ちゃん。探したよー。」

奏歌ちゃんが現れた。

「あっちに美味しい料理があったんだけどさぁ。後学のためにもコックさんにお話聞きにいかない?」

「わー、本当ですか?行きますよー。」

奏歌ちゃんの持ってきた話に目を輝かせる麻衣ちゃん。

二人が連れだって行ってしまう!

「待って、僕も!わわぁっ!」

着慣れないドレスゆえに、足を取られてつまずいてしまった。

体が傾き地面が近付いてくる。

「おっと、大丈夫?」

ソフィアちゃんが見事に支えてくれた。

よし!この人についてゆこう!

心は決まった。

しかし、世の中というやつは自分の思い通りにならないものだ。

「ソフィア様、お時間よろしいでしょうか?」

「む?どうした?」

ソフィアちゃん、どうも来賓した偉い人に挨拶をしないといけないらしい。

ついてゆこうとしたら、長くなるかもしれないからとやんわり断られた。

ポツンと一人たちすくむ僕。

「……どうしろと?」

キョロキョロ辺りを見渡して誰かいないか確認。

眞彩ちゃん発見!

話しかけてみようかと思ったら、愛ちゃんと一緒にケーキを食べまくっている。

いや、愛ちゃんは食べていないからあの量のお皿は全て眞彩ちゃんが……!?

夢中になってるのを邪魔するのは悪いよね……。

「他には……。」

いないや。

朔夜さんはそもそも舞踏会に来てないし。

あー、もう、どうしよう?

なんだかだんだんテンパってきた!

端から見たらすごくソワソワしてるんだろうなぁ。

挙動不審?

……もう帰ろう。

僕はそう決断すると、出口へと足を向けた。

と、そこで後ろから声がかかる。

「そこのお嬢さん、お一人ですか?」

タキシードに身を包み、不敵な笑みが妙に似合う男の人が現れた。

「あっ、九条さん。」

「お、さっきの演説聴いててくれたんだ?」

いや、聴いてないけどね。

知り合いなだけです。

てか、僕って気付かれてない?

「ウェイター!こちらのお嬢さんにお飲み物を。」

ワインの入ったグラスをもらった。

「あ、ありがとうございます……。」

チビりと舐めるようにして飲む。

ここでバラすのは簡単だけど、それは僕が恥ずかしいだけだ。

何か打開策はないものか?

思い付かないよ……。

ここは大人しくして、さりげなく撤退しかあるまい!

「君、可愛いねぇー。名前は?いくつ?」

矢継ぎ早に質問が浴びせられる。

な、名前って……!?

「ひかりです。16歳です……。」

とっさにそう答えてしまった。

ひかり、って母さんの名前だし……。

年齢は詐称してないけどね。

「ひかりちゃんだね。良い名前だ!ところでこの後空いてる?

ホテルのスウィートを取ってあるんだけど、どうかな?」

清流のような異様に爽やかな笑顔を振り撒く九条さん。

……これってナンパじゃない?

てか、展開早すぎ!

あからさますぎるよ、九条さん!

「……ぼ、僕、いいです。」

「お、僕っ娘だ!え?いいの?じゃあ、行こうか!」

「ち、違います!そのいいじゃなくて、遠慮しておきます!」

ドレスに注意しながら撤退だぁ〜!

グラスを手近なテーブルに置いて、ドレスの裾を掴んで小走り。

……ちょっと涙出てきた。

「むぅ、逃した魚は大きいかもしれん。」

そんな呟きが後方から聞こえたのだったぁ。

出口に向かってると、

「君、超可愛いね!俺と付き合ってくれ!」

ダイルさんが現れた!

そして、いきなり告られた!

「お、お断りします!ごめんなさい!」

全力で丁寧に断った!

ダッシュで逃げないと危険だ。

ここにいてはダメ!

貞操が危ない!

その後、貴人にも声をかけられけど瞬時にかわしてやった。

輝さんにお持ち帰りされそうになった時は焦ったけど、後ろから殴って逃げた。

なんか痙攣してたけどもう知んない。

平安をこの手につかみとるために、城を駆け抜ける僕。

後日の話だけど、輝さんと九条さんとダイルさんと貴人が、

『またあの娘に会えないかなぁ……。』

と溜め息をつきながら切なげに呟いていた。

もう現れませんよ!



あとがきっぽいもの。
作者「悪ノリ?終了ということで〜。」
リーア「人気投票とかやった場合、光騎様とひかりちゃんは別キャラ扱いですよね〜♪」
作者「その時に考えるよ(笑)」
リーア「というか、ショートストーリーの割にいつもと変わらないぐらいの量じゃないですか?」
作者「内容はすごく軽いけどね。」
リーア「もう一つぐらいで本編ですかね?」
作者「そだねー。頑張りまーす。」
                     おわり



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