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「アポカリプスの再充填を急げ!次は首都を撃つ!」

司令部に響きわたる盟主の声。

アポカリプスの絶大な効果は連合を勢いづかせた。

再発射を急ぐオペレーターが一機のMSの接近に気づいた。

「ふん、偶然突破出来ただけであろう。すぐに撃墜されるわ。」

「いえ、あれは前、前々大戦の英雄のフリーダムです!」

「なに!?ちゃんと確認したのか!?」

「データと違っている部分はありますが、動きから推測するにフリーダムに間違いありません!」

「迎撃しろ!やつを通せばやられるぞ!」

フリーダムに群がるダガーやウィンダム。

キラはそれらを軽く見回すと、フリーダムをさらに加速させる。

そのパワーに付いていくことの出来ないダガー達は、ビームライフルを放つものの当たることは無い。

「…さよなら。」

ネメシスから放たれるいくつもの光はダガーのコクピットを貫き、宇宙を漂う鉄の塊となった。

「何をしている!?早く次のアポカリプスを撃て!」

盟主の叫び、アポカリプスは充填を終える。

このアポカリプスは今までの大量破壊兵器の中で最もエネルギー効率がよかった。

照準が終わり、2発目のアポカリプスが放たれた。

狙われたのはプラントの首都。

ビームシールドをあっさりと貫通しその破壊力を撒き散らす。

「くそっ!厄介なものを!」

バルトフェルドは悪態をつかずにはいられなかった。

「……。」

キラはそれを冷めた目で見ていた。

もう心には絶望しかなく、人々の叫びは心に届くことはない。

「戦争を無くす唯一の方法…人間がいなくなればいい…。」

キラの凍りついた感情は、世界を敵として定めた…。

「あそこが連合の基地か…。」

連合のMSを薙ぎ払いながらついに辿りつく。

アポカリプスと司令部が見えた。

「何をやっている!エクステンデッド共を出撃させろ!」

盟主は切り札である、エクステンデッドと専用の機体であるストライクγを発進させた。

「クックックッ、やつらには金がかかってるんだ、存分に働いてもらおう!」

10機のストライクγがフリーダムに狙いを定める。

「この感じは…ムゥさん?いや、違う。これは…。」

キラはその圧倒的な力でストライクγを寄せつけはしない。

ストライクγから射出されるドラグーンもその動体視力と直感力の前にあっさりと撃ちおとされる。

「前に戦ったのはあの人のクローン、その感じに似ている…。そうか!ムゥさんのクローン!」

ストライクγのパイロット、それはエクステンデッドでありながらムゥのクローン。

確かにナチュラルではあるが、もはや自然と呼べるシロモノではない。

「あなた達はまだこんなことを!」

暗い絶望の炎がさらに燃えあがる。

ためらいもなく、ストライクγに止めをさすキラ。

迷いの無くなったキラは持たされた力の全てを破壊へ向ける。

「バカな!?一体どうなっているんだ!?」

盟主の思考はうまくまとまらなかった。

顔はひきつり錯乱気味になる。

そうこうするうちにキラは基地までに立ち塞がる最後の防衛線を突破すると基地司令部の前に佇む。

「ハッハハッ!やつこそ、ジュノサイドの名にふさわしいじゃないか!」

容赦無く撃ちこまれた幾筋もの光。

ドラグーンやネメシスから放たれたそれは、基地を跡形も無く滅ぼした。

「…次はプラントだ」

飛び立つ自由の翼。

あらゆる束縛から解き放たんがために、死を撒き散らす死の翼。

罰を背負って深淵の宇宙を舞う…。



ホッと息をつくバルトフェルド。

いい結果とはいえないが戦いは終わった。

軍に帰還の指示をすると椅子に深く座る。

「さて…あとはキラがどうなるかだ…。」

あれはいつかみた、キラをバーサーカーと呼んだ時のような戦い方だった。

我を忘れて、ただ立ち塞がるものを破壊し尽くす存在。

『たっ、隊長!フリーダムが!?』

突如入る通信。

焦り、追い詰められたような声。

「どうした!?何があった!?」

『う、うわぁぁぁ!』

部下からの通信が断絶する。

宙域の映像をモニターに映す。

そこに映っていたのは惨劇だった。

フリーダムの手加減無しの攻撃。

MS、戦艦が次々と墜とされていく。

「…キラ、仕方ない!全軍フリーダムを撃墜しろ!あれは敵だ!」

プラントを守るためには仕方なかった。

非常ともいえる決断。

だがこれでもキラを止められるかどうかはわからない。

「…キラ、そんなことは歌姫は望んではいないぞ…。」

「あれは敵…。」

キラは機械的にザクやグフなどをロックオンしては撃破していく。

フリーダムの周りにはいくつもの残骸が浮かんでいた。

『議長!何をやっている!?』

向かってくるのは白色に塗装されたグフ。

隣りには黒色のザクもいた。

『おいキラ、どうしたんだよ!?』

イザークとディアッカだ。

キラは何の感慨も無く二人の機体をロックオンして撃った。

それを辛うじて回避した二機はフリーダムへと銃口を向けた。

『ええぃ!ディアッカ!フリーダムを無力化するぞ!』

『無茶な注文だぜ!』

「……。」

二人の連携攻撃。

イザークの接近戦とディアッカの援護射撃は、並の相手では手も足も出ないがキラの相手ではなかった。

大振りの攻撃を避けて、間合いを取るとドラグーンを展開した。

四方八方からの攻撃に対処するのが精一杯の二機。

ネメシスからビームソードを出すと、必死に回避し続ける二機を斬り裂いた。

『クソォォォォッ!』

『こんなところで…』

胴体を真っ二つにされた二機は完全に大破し宇宙の塵となった。

「……次の敵は……」

さまようように新たな敵を探す。

まだ群がるように敵はいた・・・。

お気軽に叩いてやってください、喜びます(笑)

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