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「やっぱ男は筋肉じゃね?」

「……そっすかー?」

この人はいきなり何を言いだすんだ。

カメラ目線でポージング始めるし。

てか、カメラってなんだよ!

「シロウ、お前ももっと鍛えてマッチョになるんだ。そしたらモテる!」

ビシッ、と上腕二頭筋をアピールする先生。

「ホントにモテるんすか?てか、そんな簡単に筋肉付かねー。」

「肉を喰らえ。」

簡単に言ってくれる。

さて、俺と先生はベンド付近の森の中に再召喚された。

前回、森にこもってレベル上げをしていたのでその続きということだ。

俺はガンナーのまま、先生は武闘家に。

クラス何も無しから、どう変わったか尋ねてみたら、

「筋肉が当社比3割増しだぜ!」

って言われて、さっきの会話の流れになったと。

冗談抜きで聞いてみたら、

内から溢れ出るパワーがうんたらかんたらだそうな。

……へぇー。

なんか胡散臭ぇなぁー、と思ったんだが深くはツッコまないことにする。

で、今日もレベル上げなわけだ。

「男二人ってのも、潤いがないですね。」

いまいち修行に身が入らない。

「筋肉付けて、レベル上げればモテるに決まっているだろう!」

親指伏せでガシガシとトレーニングを続ける先生。

もう筋肉から離れましょうよ!

「普通にモンスター倒しにいきません?」

基礎トレーニング以上をやる気はないのである。

先生は親指に力を込めて勢いよく立ち上がった。

「そうだな。食料調達もしなきゃならんし。いっちょ狩りまくってやるか!」

「うっす!」

拳をバキバキと鳴らす先生の姿が頼もしくてしょうがない。

俺も銃の弾装をチェックして、戦闘体勢は万全だ。

「おおおぉぉぉーっ!ケンカじゃあぁー!」

一気に火がついたらしい。

瞳をギラギラとさせた先生は、森の奥へと突進し始めた。

「ちょっ!?待って下さいよ!?」

単独行動すると確実に生き残ることが出来ない俺。

先生の後を必死で追いかけるのみ!

ちなみに先生だったら何ヶ月でも、この森で生きていけそうな気がする。

「ターゲット捕捉!ただちに粉砕するぜ!」

先生に何とか追いついた!

どうやら戦う相手を見つけたようだ。

『キシャアァァー!』

雄叫びはそれっぽくないが、アレは熊だね。

モッサモサの毛皮といい、バッサリといかれそうな爪。

直立歩行すると、2メートル近い先生の身長よりもでかい。

……あれ?かなりやばくね?

これは、いわゆる、ピンチというやつじゃ……。

「敵として不足無し!いざ尋常に勝負!」

しかし、先生は臆することなく熊と対峙。

俺は木陰から見守ることにする。

チキンということなかれ、一般人にとって普通の反応だ!

『キエェェェーッ!』

腕を振り上げ、必殺の速度でもって先生へと振り下ろす。

ギラリと凶々しく光る爪。

「ふっ!その程度!」

先生には余裕で見えているらしい。

熊との距離を詰めながら避ける、避ける、避ける。

あっという間に懐に入り込むと、地面を砕く勢いの踏み込みで拳を突きだした!

「爆殺拳!」

物凄く怖いネーミングの拳が熊のドテっ腹にめり込む。

『げぶうぅっ!?』

熊が血を吐いて、あ、これやばいな、っていう倒れ方をした。

まるで追い討ちのように後頭部をぶつけていやがる、なんて不敏。

痙攣起こしてビクンビクンしているところを先生はキュッと絞め落として止めを刺した。

「今日のメインディッシュ確保!」

……だそうだ。

食料確保の喜びよりも熊を倒せる事実に恐怖を感じざるをえない。

「てか、熊っぽいものを一撃で倒せる先生ってなんなんだ……。」

「いや、コツを掴めば誰でも。」

「……無理ですよ。」

あの技は熊を倒すために編み出したそうな。

ぶ厚い毛皮で打撃が通用しないため、内臓に衝撃を与える技を開発したのだと。

いやいや、熊を倒そうとする思考がわかりませんよ。

ひとまず、倒した熊肉で昼食。

てきぱきと肉を焼くところまで仕上げる先生のサバイバル術に感謝だ。

「すげぇ大味……。」

「肉を喰らってる感じがするだろ?」

まぁ、腹が満たされるだけマシと思うことにするさ。

「てか、街に行って食料買いましょうよ。お金が無いわけじゃないんですし。」

メイディアさんの提供で、充分なお金は持っている。

ぶっちゃけ、狩りをする必要なんてないのである。

「そうだな。調味料ぐらいは買っておこう。マヨがあればその辺の草でもなんとか食える。」

「……お腹壊しますよ。」

俺は絶対しねぇー。

そもそも、あるのかどうかが疑問だが。

「よし、これ食ったらベンドに向かおう。めんどくさいから真っ直ぐな。立ち塞がるものは全て薙ぎ倒すぜ!」

「了解!」

返事はいいが、まだ俺は何もしていなかったり。

俺達は荷物を背負うとベンドの方向へ駆け出した。

それほど離れた場所で修行していたわけではないので、丸一日もあれば辿りつけるはず。

『ギャアァァァー!』

走っていると茂みからゴブリンが踊りでてきた。

タッーン!

『ギャッ!?』

脳天を打ち抜いてやった。

『シャアァァァッ!』

バイパーが足元を狙って牙をむく。

タタタタッーン!!

でっかく開けた口にブチこんでやったぜ。

先生が前衛でモンスターをねじふせながら、俺は後衛からの援護射撃。

吸血コンモリやらの飛行系モンスターも担当だ。

……先生のジャンプ力の前に大半が粉砕されてるけど。

足を止めることなく弾装を交換。

以前は体力が無かった俺だが、修行のおかげでなかなかついてきたと思う。

まだまだ先生には敵わないが。

「ひとまずは自分の身は自分で守れるようにならないと……。」

狼の群れに弾丸をばらまきながら決意。

モンスターの巣食う森を抜けて、俺達は街道を目指した……。



あとがきっぽいもの。
作者「シロウと雅輝がでてきました。たぶん皆忘れてると思う。」
リーア「第一章では私もご一緒させていただきました♪」
作者「あと何人かで、第二章のキャラが出揃うね。……いつになることやら。」
リーア「ペース上げてくださーい。」
作者「……ちょっと慎重に書きたいところ。矛盾とか出したくないし。」
リーア「テンションにまかせて書くわけにはいきませんね〜。」
作者「そゆことー。」
                         おわり



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