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特訓二日目。

今日もシロウは宙を舞う。

雅輝の無慈悲な蹴りがシロウをボールのように跳ねさせた。

「……ゲフゥッ!?」

受け身で衝撃を殺しきれずにピクピクと痙攣している。

「次!」

衛星が雅輝に挑む。

間合いを測る衛星に、雅輝の豪腕が迫る。

「クッ!」

余裕をもって避けたはずが、拳が頬をかすめた。

様子を見るため距離を置く衛星。

「たいした腕も無いくせに考えてんじゃねぇよ!」

神速の踏み込み。

畳みがめり込みそうになるほどの踏み込みから放たれた打撃が衛星の腹を貫いた。

「ガハッ!?」

勢いよく吹っ飛んでいく衛星の体。

シロウの上に重なり落ちた。

「ぶほっ!?」

息も絶え絶えのシロウはさらにダメージを重ねた。

「おまえら、今は考えず動け。体で覚えろ。俺達はいつ召喚されるかわからない。技術を磨く時間は無いと思って体を鍛えろ。」

衛星とシロウは痛みに顔をしかめながら雅輝の言葉を聞いている。

「痛みを覚えろ、体の軋みを覚えろ、血の味を覚えろ。人の体は案外に頑丈だ。しかし、意外に脆い。肉体の安全と危険を見極めろ。そして、信頼しろ。追い込めるところまで追い込め。そこから先に進むことが限界を超えることだ。」

衛星とシロウが立ち上がる。

息を整えて足を前へ踏み出す。

「さぁ、来い!」

辛く、激しい特訓が続く。



「飛んでけー♪」

不用意に近付いたシルビアの体は地から遠のいた。

葵は軽々とシルビアを投げ飛ばした。

なんとか受け身を取ってすぐさま起き上がるシルビア。

菫が葵へと迫る。

葵は二人を相手にしながら息一つ乱さず、また菫を蹴りつけた。

「グッ!?」

後退るが、痛みに耐えて反撃に移る。

掌打の連撃を放つ。

「速い速い〜♪」

笑いながらそれを捌く葵。

次第に捌く速度が上がっていき、菫の間合いを侵略していく。

気がつけば、葵は菫の目の前にいた。

手を出せなくなった菫が苦々しい表情で葵をにらみつける。

「ドッカーン♪」

遠慮なくアッパーカット気味に菫の顎を貫いた葵。

防御が間に合わずにまともに受けた菫は崩れ落ちた。

その光景を離れた所から見ているのは櫻と柔耶。

「……葵さんの動き、読めませんね。むしろ先を読まれているような……。」

真剣な目つきで特訓を見ている櫻が呟いた。

「アオ姉は直感力が高いですから。普通の人と同じ身体構造じゃないですし、自然と尋常じゃない動きになるんですよ。」

柔耶はノートにペンを走らせながら答える。

「関節の駆動範囲が広いですね。」

「徹底的に無駄なものを省いています。今度、アオ姉の裸を見てみますか?芸術と言ってもいいほど引き締まってますよ。」

ノートから視線をそらすことなく柔耶は言った。

「……ですが、葵さんのあの体術、あれを身に付けるには相当の修行をなさったのでしょう。」

「物心ついてからね。人を殺す技術を身に付けた代償にたくさんのものを犠牲にしているけど。」

柔耶は少しだけ悲しそうに笑った。

「……感情ですか?」

「他にもたくさん。」

ペンを動かす手を止めて、天井を見上げる柔耶。

「……やっぱりアオ姉の裸、見ないでいいよ。きっと哀れみの目を向けるから。アオ姉には僕だけが側にいる。今までも、そしてこれからも。」

そう言い放つと、柔耶は口を開かなかった。

櫻もそれにならい、無言で特訓を見守った。



お気軽に叩いてやってください、喜びます(笑)


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